和風・その他のレシピ - つくしのスパゲッティ

子供の頃、毎年春になると故郷の河原につくし取りに連れて行かれたものだ。
スーパーマーケットの白い袋をつくしでパンパンにし、家に帰るのが恒例だった。
家に帰ると、つくしのはかま取りを手伝わされて、指先を真っ黒にする。
懐かしい故郷の春。そんな思いをパスタに込めた。

1.つくしの「はかま」を取る

つくしについている、葉が集まって出来た「はかま」と呼ばれる部分と取る。
地味な作業だがつくしを食べる時に必ずしなきゃならん。
その作業が終わると手は真っ黒で、つめの隙間も黒くなる。
昔、つくしのはかま取りを手伝わないと、つくしは食わさないと母親に脅されて、しぶしぶ手伝っていた記憶がよみがえった。

鍋でお湯を沸かす。
つくしは短いものはそのままで、長ければ適当な大きさに切ってから水で汚れを洗い落とす。
お湯が沸騰したら、つくしを鍋に入れて軽く茹でる。
軽く茹でるだけなので、すぐにザルなどでお湯を切ってしまうこと。
つくしはかなりアクが強いので、必ずこうやって軽く茹でておくこと。

フライパンにオリーブオイル（またはサラダ油）をひき、コンロに火をかける。
油が熱くなったら、2.のつくしを入れて炒める。
しばらく、よく炒めたら醤油、みりん、酒を混ぜたものをフライパンに注ぎいれて、ひと煮立ち。
少し濃い目に味をつけておくと、パスタとからめたときに丁度良い具合になる。

茹でたてのスパゲッティをフライパンに入れて、よくスパゲッティに絡めてやる。
水気が少ない場合は茹で汁を少し注ぐと、麺にソースがからみやすくなる。

ごまは荒めにすっておく。
お皿にパスタを盛り付けたら、すりごまをまぶして出来あがり。
つくしの独特の苦味がスパゲッティと絶妙にマッチ。これを食わなきゃ春じゃない。