ハーブ

ハーブ

イタリアの田舎道を歩くと、数多くの香草に出会うことができるだろう(行ったことないけど)。
各家庭の小さな菜園や、野原には野生の香草が育っている。生命力の強い香草は、都会のアパートのベランダでも小さな鉢で育つことができる。
香草の歴史は古く、昔から薬用や香辛料、肉や魚の臭み消しなどとして使われてきた。
香草は、あくまで料理の引き立て役に徹し、メイン素材の風味を損なわないように使う。これこそ、料理人の腕の見せ所だ。
香草は種類も豊富で好みにあわせたプラスアルファの美味しさを追求しよう。

ハーブの種類

よく使われるハーブを少し紹介してみる。それぞれのハーブにあった使い方をマスターしようじゃないか。

basilico
バジリコ。
バジリコ
イタリア料理には欠かせないシンボル的なハーブで、松の実を使ったジェノベーゼはあまりにも有名。
ハーブの王様といわれ、シソに似た爽やかな甘い香りが特徴(というかシソ科なので当たり前)。
寒さに弱いので、そのまま冷蔵すると透き通るような緑も黒く変色してしまうので、すぐに使わないときは紙の箱に入れて、かたく絞ったふきんで蓋をして冷蔵庫で保存する。
バジル(basil)ともいうが、それは英語名。
バジルの種類は他にもあるが、一般的にバジルといえばスイートバジルのことを指す。
バジルの栽培日記はこちらから…
origano
オレガノ。
イタリア語の発音ではオリガーノというのが正しい。
ほろ苦い香りが特徴でトマトとの相性は抜群だ。
特にピッツァには欠かせない。
フレッシュはみじん切りにしてドレッシングに混ぜると、一味違った美味しさを楽しめる。
フレッシュよりも乾燥させた方が香りも強い。
aneto
ディル。
ディル。
イタリア語でアネート、英語名はディルという。
スッキリとした快い香りで、マリネやピクルスなどに使われることが多い。
外見は日本名でウイキョウといわれるフェンネルの葉によく似ており、魚料理に使われることも多く、臭みを抑え、風味だけを際立たせてくれる。
maggiorana
マジョラム。
特有の甘い香りとほろ苦さがあり、消臭効果にも優れている。
この香りはとても繊細で、強く加熱すると消えてしまうので、料理の仕上げに加えるようにすること。
野菜、肉、魚などオールマイティーに活躍でき、主にレバーなどのくせのある肉の臭みを消したい時に効果がある。
rosmarino
ローズマリー。
数ある香草のなかでも、特に強い香りがする。
かすかな苦みと甘い芳香は、肉の臭み消しに適している。
使いすぎたり、加熱しすぎたりすると苦みが強くなるので注意が必要。
葉茎は堅いので最後に取り出す。
salvia
セージ。
セージ
青臭い新鮮な香気とわずかな苦み、渋みがある。
バターやクリームに香りを移して、重厚な味を切れ味のよいものにする。
古くから万能薬としても重宝されてきた。
強い芳香は加熱しても消えないので、調理上の扱いがわりと簡単。
dragoncello
エストラゴン。
英語ではタラゴンといい、エストラゴンはフランス語。
すっきりとした甘い芳香があり、この葉をビネガーに漬けたタラゴンビネガーは料理に活躍する。
熱や水気に弱く、濡らすと香りがしなくなるほど繊細。
timo
タイム。
すがすがしい芳香と、辛みと渋みが混ざったような微妙な味わい。
芳香が強いため、肉や魚の消臭や保存用にも使われてきた。
乾燥しても強い香りが残るので、乾燥物を使うときは量に注意すること。
prezzemolo
イタリアンパセリ。
イタリアンパセリ
イタリア語では、プレッツェモロという。
パセリと言っても日本でおなじみの縮れたパセリと違い、えぐみが少なく、清涼感のあるさわやかな香り。
みじん切りをパスタやマリネ、スープなどに散らして使うことが多く、ソースなどに混ぜ込んでも他の味を邪魔することなくかすかな香りが、料理に奥行きを与えてくれる。
rucola
ルーコラ。
ルーコラ
風味付けというよりも、メインで使われる香草。葉はやわらかく、ごまに似た風味とぴりっとした辛さが特徴。
シンプルにパスタとあえても美味しい。
成長するほど風味やアクが強まるので、生のままと加熱するときと使い分けるようにしたいところ。

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