パスタを美味しく撮影しよう

実物はもっと美味しそうなのに

私がデジタルカメラとやらを購入したのは1999年末ともうかなり過去の話だ。 当時を思い出すと、とりあえず作ったパスタをパシャパシャと撮影していた。 失敗を恐れず何枚も気軽に撮れる。気に入らなければすぐに削除できちゃうという手軽さこそデジカメの特性のひとつに違いないのだ。 手軽すぎるからこそ何も考えず、デジカメの取扱説明書だってまともに読まないわけだ。 そうなるとどうなるかというと、実物は美味しそうにできたのにパソコンに取り込んで見てみるととんでもなく不味そうに見えるわけだ。 頭の中には数多くのレシピ本などで見かける色鮮やかなイメージがはっきりと出来上がっているのに、そうそうデジカメは甘くないという現実を見せられる。
こうして私の苦悩は長らく続くことになる。
人間というものは少なからず学習するもので、この私でさえ失敗を糧に日々学習を繰り返している、と思いたい。 最近では「ここのパスタの写真は美味しそうですね」なんてお褒めの言葉を頂いて、実物よりも写真の方が美味しそうに写っているのではないかという冗談とも思えない言葉が聞こえてきそうでコワイ(笑)

というわけで、ココでは私が独自にあみ出した「美味しいパスタを撮影するコツ」とやらを参考までにまとめてみることにする。 せっかく美味しいパスタを作れたのだから食べる前に記念に撮っておこう、自分のオリジナルレシピ集をまとめてみよう、ホームページに自分の料理を載せたいけど上手に撮影できない、なんて思っている方に是非とも一読して頂き、多少なりとも参考にしていただければ幸いである。

チューリップとの出会い

それは、取扱説明書はちゃんと読まないとね、と私を痛感させた出来事だった。 何度やっても不味そうに写るもんだから考えた私は取扱説明書をちゃんと読んでみることにした。 普通の人は取扱説明書ってちゃんと読むのかも知れないが。
そこで出会ったのがマクロモード。 数年前の私のデジカメでさえ搭載した機能なので、最近のデジカメにはほぼ標準で備わっていることだろう。 チューリップマークが目印で、いわゆる近距離撮影モードっつーやつだ。数cm~1m前後の至近距離での撮影のために備えられた機能でこれを使わないととんでもなくボケた画像になってしまう。

通常モードで撮影したもの 通常モードで撮影したもの

マクロモードで撮影したもの マクロモードで撮影したもの

上の写真は「通常モード」と「マクロモード」で撮影した写真の比較である。 ページ掲載の関係上、画像のサイズを小さくしているがオリジナルの画像サイズで見るとその違いは歴然。 料理などを撮影する場合はこのマクロ機能を有効活用して頂きたい。 あなどれませんね、チューリップ。

ストロボの罠

写真を撮影するときストロボ、いわゆるフラッシュが光ると「撮ったぞ」という強い実感を味わえる気がする。 オート撮影などにしていると室内などではほぼ間違いなくストロボは光るのだが、このストロボが災いをもたらす場合もあるのだ。 結論から書くとストロボはオフにして室内照明(もしくは自然光)を頼ること。 デジタルカメラの場合、背面の液晶画面に被写体がキレイに映っているのであればストロボは不要だと考えても良い。 とくに被写体が至近距離にあるような場合、ストロボによって被写体が無駄に明るくなり、逆にその周りに影ができてしまう。 そうなると結果的に写真全体が暗くなり、せっかく色鮮やかで美味しそうなパスタも台無しになってしまうわけだ。 といってる私も以前は思いっきりストロボを光らせてパスタを撮影していたので、初期のパスタ写真はえらく暗くてパッとしない写真になってしまってたりする。

ストロボ撮影したもの ストロボ撮影したもの

ストロボをオフにしたもの ストロボをオフにしたもの

色の重要性

デジタルカメラを扱う上でホワイトバランスという言葉が登場する。 人間の目というのは不思議なもので、純粋に白いものはあらゆる照明の下でも白く見えるという順応性が備わっているらしいのだ。 デジタルカメラでは被写体の周りの色とのバランスを独自に演算して白いものを白く撮影しており、この機能をホワイトバランスと呼ぶのである。 ホワイトバランスの調整は通常のデジタルカメラには標準的に備わった機能であり、通常は自動でホワイトバランスを行うようにしておいてもさほど問題ではないが、 被写体をアップで撮影したり、特殊な照明下で撮影を行うとホワイトバランスが正しく行われない場合があるのである。 室内の蛍光灯の下で撮影を行うと青みがかって写ったりするのはホワイトバランスが正しくないということである。 そのためデジタルカメラにはホワイトバランスを手動で設定できるようにもなっている。 例えば野外などの撮影用、蛍光灯の下での撮影用など場面に応じた細かい設定ができるようになっていたりもする。 このあたりは機種によっても若干異なるので、それぞれの取扱説明書を参照されたい。 コツとしては一度試し撮りしてみて、ホワイトバランスを切り替えるなどといった方法がもっとも有効でしょうね。

写真の色合いを調整するという点ではデジタルカメラによって調整するのは多少難しい。 ホワイトバランスなんぞ気にしたくもない、という方の方が多いかも。 室内用のホワイトバランスに合わせたまま、翌日に野外でそのまま撮影しちゃったとか、かえって不便な場合もあり得る。 何より面倒である。 そこで写真の色合いは撮影後に調整してしまえばいいのだ。 デジタルだからこその利点のひとつに加工のしやすさというものがある。 これはパソコンに取り込んだ画像ファイルは画像エディタなどで手軽に加工できてしまえるということ。 例えばちょっと青っぽい写真になってしまえば、青色の明るさを弱くして、その後全体の明るさを強くするといった補正が考えられる。 また私の経験上「明るくして、コントラストを強める」と美味しくみえる。 コントラストとは色(明暗)の差のことで、コントラストが強いということは明暗がよりくっきりとなるのである。 微妙なことであるが、この微妙さがより美味しそうな写真を生み出す秘訣ともいえる。

補正前 補正前

明るさとコントラストを少し強め 明るさとコントラストを少し強め

パソコン上での補正は多少の慣れも必要なので、画像ファイルのバックアップを置いておき色々と試してみると良い。 画像エディタの操作方法については各種エディタのマニュアルやヘルプを参照されたい。

小さなことからコツコツと

パスタ料理においても、パスタ撮影においてもそれぞれのコツはほんの些細なことなのだが、それらの組み合わせが重要だったりする。 マクロ機能、ストロボオフ、色調の補正などの他にも目には見えないコツはいくつかあるので列挙してみた。

ヘタな鉄砲、数撃ちゃ当たる戦法
「この一枚にかけるぜ!」などと一球入魂ならぬ一枚入魂はどうかと思う。 何枚でも気軽に撮影できるのもデジタルカメラの長所なのだから、この長所を活かさない手はない。 料理が冷めてしまわない程度で数枚くらいは撮ってもいいんじゃないか。
皿回し戦法
上の「戦法」と組み合わせて使うと有効。 料理の場合、ちょっと違う角度から撮影してみると新しい発見があったりするもんだ。
ティッシュ箱戦法
マクロ機能にしてピンボケはないぞと思っても、手が震えて画像がぼやけてしまっては意味がない。 そのためにカメラを固定することをオススメする。 カメラを固定するといっても、ティッシュ箱のような程よい高さのものにカメラをあてがい、ブレを極力抑えるようにすると良いのだ。
また料理はティッシュ箱を横にしたくらいの高さ、角度から撮影するようにする。あまりに真上から撮影してしまうとせっかくの盛り付けが平面的に見えてしまうので注意されたい。

料理をターゲットにしたデジカメの活用術はこんなもんだろう。 これらを念頭において、改めて美味しい写真をぜひとも記録に残して欲しいものだ。

最後に

ちょっとだけ注意。

  1. これらは私がパスタを撮影しているときに実践していること、気にしていること。デジタルカメラによる撮影方法全般とは異なるので注意して下さい。
  2. これらを実践したからといって、美味しい写真が撮影できることは保証しませんし、美味しそうに撮影できても料理の味は変わりません。またパスタ料理はできたてが美味しいです。撮影に気をとられてアルデンテを見失わないで下さい。
  3. デジタルカメラの機種によって多少用語が異なる場合があります。またデジタルカメラの操作方法はそれぞれの取扱説明書を参照して下さい。
  4. 画像エディタの種類によって多少用語が異なる場合があります。また画像エディタの操作方法はそれぞれのマニュアルやオンラインヘルプなど参照して下さい。
    参考までに私が普段使っている画像エディタを紹介しておきます。フリーウェア(無料)なのにかなり高機能でプラグインを別途追加インストールすると豊富な画像効果を実現することができます。レイヤーとかも使えますし、初心者には使いやすいインターフェースなのもウリです。
  5. 撮影したパスタ画像はパスタな写真板に投稿してくれると、私は大変喜びます。